海外旅行に持ってゆく、デジタルカメラ、ビデオカメラなどの充電器、ノートパソコン、プロジェクターなどは、定格電源電圧が、100V〜240Vに設計されているものが多い。世界中のどの国に行っても、電源プラグとコンセントの形状が合えば、使うことができる。そこで、プラグの先に着けるプラグアダプターが便利である。
この便利なプラグアダプターは、しばしば悲劇の元凶でもある。AC100でしか使えない機器を、220Vの電源コンセントに差し込むこともできてしまうからだ。一瞬にして高価な電気製品が、浦島太郎みたいにパッと白煙を上げて終局を迎える。火を噴くこともある。本来、変圧器や高圧コンバータなどを介して差し込むべきものだが、うっかり忘れることがあるのだ。他人が悪気なく誤って焼いてしまうこともある。
南米の大国ブラジルの家庭では、120Vが使われている。そしてブラジル製品の多くが120V仕様のまま、近隣諸国に輸出される。例えばパラグアイだが、一般家庭では220Vを使っている。標準コンセントは丸ピン型も、平片型も差し込めるようになっているので、この手の事故が絶えない。
そこで、提案。100V仕様の機器には、110V 以上の電圧を遮断する回路を組み込むのだ。ユーザーが電源プラグをコンセントに差し込むと、ピーと音が鳴る。「電圧が高すぎて使えません」というサインだ。電圧が110V未満のときだけ、電流を通すようにする。こんな回路は簡単だからすぐできるよね。
一定の電圧値以上で導通短絡するバリスタで、電源のヒューズを飛ばし、奥の電気回路を保護する方式が見られる。保護はされるが、バリスタとヒューズを交換するまでその製品は使えなくなる。簡単に修理できることを知らないユーザーは、故障品を捨ててしまうかもしれない。
メーカー各位様、世界中で日常的に起こっている悲劇を減らすため、フールプルーフの(阿呆が扱っても壊れない)設計にしてください。