珍愚庵の提案

珍愚庵の提案

珍愚庵の提案 013

待ち行列の一本化

待ち行列の問題。待ち行列は様々なところにできる。店のレジ、ATM、駅の券売機、各種チケット売り場、出入国審査、バス乗り場、電車のプラットフォーム、公衆トイレ、等々。銀行、郵便局、役所などの窓口には、番号札がおいてあって、立って並ぶことはないが、これも待ち行列である。押しかけた人々が並ばずに押し合いへし合いする国もある。

ATM、券売機、精算機などが2〜3台しかない場合、行列がそれぞれの機械の前にできることがある。人により、用件により、機械の操作にかかる時間は異なるので、行列の進み具合も行列ごとに異なってくる。運悪く、遅い行列に並ぶと、イライラすることもある。こんな場合、行列を一本化すればよい。

米国の入国審査(イミグレーション)には、たいてい多くの審査窓口があるが、待ち行列は1本にしてある。「機会の平等」に配慮したのかもしれない。成田空港の出国審査は、窓口ごとに待ち行列ができる。慣れた旅行者は、外国人の多い行列を避けて並ぶ。外国人の出国審査は時間がかかることが多いからである。入国審査の方では、外国人と日本人とで窓口を別けてあるので、日本人が長く待たされることは、まずない。

かつて、ソ連という国では、静かな行列が日常的に見られた。「平等」を標榜した国であるから、当然かと思った。しかし同じ共産主義国でも、某国はそうでもないらしい。本家のロシアはすでに競争社会である。でも、電車やバスで、年配者や体の不自由な人に席を譲る「善の競争」も健在であると聞く。

人間の社会は、日本も例外でなく、おしなべて競争社会である。せめて待ち行列くらいは、子供、年配者、障害者など、弱者に不利にならないような配慮をしよう。


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