珍愚庵の提案

珍愚庵の提案

珍愚庵の提案 021

外国語のかな表記:La行音を分かりやすく

私たち日本人がヨーロッパの言語を学習するときのハードルの一つが、LとRを区別することである。例えば、rock と lock。カタカナ表記ではどちらもロックなので、聞き間違えたり、書き間違えたりしやすい。他にも、ライト、ラブ、リーダー、クラブ、など、LとRとを取り違えると、全く違う意味になってしまう。これを「紛らわしい」と思うのは日本人の学習者で、ネイティブにとっては、よほど聞き取りにくい場合を除いて、少しも紛らわしくない。

私たちは、BとVの区別も苦手だが、バ行とヴァ行とで書き方を変えることで、比較的覚えやすい。ならば、La行とRa行とを別々の表記にできないか? 全く新しい文字を創るのも一案だが、抵抗が大きくて、日本社会に定着することはないだろう。しかもHTMLの文字セットに含まれていない文字は、始めから化石のようなものだ。

適当な案を思いつかないが、例えば、Laは、ラのどこかに゜をつけて、「ラ゜」とかするのはどうか? いきなり出版物で使うのは無理だが、語学書に限って使うことは可能だろう。そして、単にラと書いたものが、LaではなくてRaだというのか、RaとLaとを区別していないラなのかは、本のどこかに明示しなければならない。

教科書、学習書、百科事典、学術書などで、一般になじみの薄い外国語や外来語をカタカナで表記する場合は、( )内に原語の綴りを書くと親切だと思う。その綴りがイメージとなって、脳にインプット(input)されやすい。インプットしたくない読者は、読み飛ばせばよい。

言語によっては、サ行、ザ行、タ行、ダ行、ハ行、などに種類の豊富なものがある。重厚音、平音、濃音、激音をもつ言語もある。しかし、あまり気にしなくても差し支えない場合が多い。これらはとりあえず気にせず、あるいは後回しにし、まずLとRの違いを克服しよう。

この提案のねらいは、日本人にとって外国語を学習しやすくすることだ。もし逆に学習の負担が増えるばかりだったら、即廃案。


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