珍愚庵の提案

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珍愚庵の提案 029

技術家庭科に修理実習を

エコの時代、物を大切にする喜びを改めて知ることが多い。本当に必要なものをよくよく選んで手に入れ、マニュアルがあればよく読んで、適切に手入れをし、最後まで愛用する。粗雑に物を扱ったり、むやみに捨てたりしては「もったいない」。

私は、小中学校の技術家庭科の時間に、修理体験をしたら良いと思う。もう使い物にならなくなったと思われていた物を甦らせる。まだ使えそうなのに捨てるには惜しいものを見事に修理する。その感動を若い魂に味わわせてあげるのだ。

少しだけ欠けた陶器のように接着すれば直るものは、接着剤の種類から教える。接着剤が手や衣服に付かないように注意すべきこと、万一付いてしまったらどうするか説明する。接着した跡が目立たないように磨く技を教える。

塗料、顔料、刷毛、溶剤、サンドペーパーの種類なども実物を手にとらせて教える。匂いの嗅ぎ方など確実に教える。壁塗り塀塗りなどは難しいだろうが、小さな家具、おもちゃ、文具など、塗装で生まれ変わるかもしれない。

電気プラグの交換は生涯に何度も役立つ技だ。教師は生徒が結線したプラグを開いて、点検し、どこがよくてどこが悪いか、丁寧に説明してやる。電球や蛍光管の交換に際しては、光の色、ワット数、口金の種類、電球のサイズと種類など、買う前に調べておくべき情報のあることを教えられる。

電池の液漏れなどで錆びていた電気接点を磨くだけで、愛用の音楽プレヤーが甦るかもしれない。その痛快さは、一度味を占めたら忘れられなくなるだろう。

自転車の修理、特にパンク修理は、すぐにお金の節約という形で報われる。危険な改造をしてはならないこと、日ごろのメンテナンスの大切さもあわせて教えられる。

大工、左官、板金、水道修理、庭木の手当て、ボタンつけ、ほころび縫い、ほか多種多様な修理がありそうだ。


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