無煙炭で、蒸気機関車を走らせよう、という新聞記事を読んだ。もう何十年も前のことで、新聞の名も発行日も全く覚えていない。
無煙炭なら、大都市の近郊でも煙害が小さくて済む。普通の石炭より高価だが、そこは「特別鈍行券」を発行して補う、という趣旨だったと記憶している。
私は必ずしも大都市の近郊でなくても、蒸気機関車が走ってくれたらうれしい。無煙炭がどれほど環境によいか知らないが、化石燃料である。それよりは、木の廃材を燃料とするのはどうか?
私は、パラグアイで薪を燃料とする観光SLに乗ったことがある。日本では戦時中に木炭車というものが走っていたと聞くが、このSLは、薪を燃して水蒸気を発生させるのである。あまり馬力はなさそうで、引いていた客車は2両しかなかった。
山林の木を切って燃料にして欲しくはない。だが廃材や間伐材を燃料にするのは、カーボンオフセットと言えないだろうか? 電気機関車やディーゼル機関車よりも燃費が高くつくかもしれない。「特別鈍行券」の料金をどう設定すればコストをカバーできるだろうか?
「この鈍行列車は、次の駅で普通列車の待ち合わせのため、10分間停車いたします。」こんな車内アナウンスを聞いてみたい。